意味怖

平和的な解決

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「分かってないわね。あなたたちは全く分かってない……」

花純は大きく首を振ってから言葉を続けた。

「……耕太くんはね、目が綺麗なのよ。普段は眼鏡の奥に隠れているけれど、とても理知的で澄んだ瞳をしている。視線が合うとドキリとしてしまう。分かるでしょう?」

 

瞳だって!?涼子は吹き出した。

「ハハハ、正直になりなよ。耕太のどこに惹かれるかって、それはあの形の良いお尻に決まってるじゃないか。自転車競技部で鍛えたあの見事な大臀筋こそが耕太なんだよ」

 

話にならないわね、深いため息を吐くと瑞穂は口を開いた。

「お二人とも本当に子供ねぇ。瞳?お尻?外見に囚われているなんて、レベルが低いとしか言えないですわ。耕太さんの素晴らしさはココにあるのよ。ココよ」

瑞穂が自身の胸に手を当て満足そうな顔を見せると、

瑠夏子はふあーあ、とわざと大きなあくびをした。

「くだらないなー。うーん、本当にみんな見る目がないんだな。コウちゃんの真に特筆すべきはあの細く美しい指先だよー。隣でノートをとっているときなんてさ、講義中ずーっと見惚れてしまうもんなー」

 

瞳だッ!

お尻だッ!

ハートだッ!

指先ーッ!

 

女たちは互いの意見を曲げなかった。

しばらく睨み合っていた彼女たちだが、ついには互いの意見がまったく一致しないことを認めた。

 

「じゃあ、これで……いいわね?」

花純はそう言うと、自身の履いている膝下丈のスカートを少しまくる。

ももに巻いている革製のナイフホルダー、そこに収まっていたのは花純の細い身体には不釣り合いな、大ぶりのサバイバルナイフだった。

「ああ」「いいよ」「それならそれで問題ない」

他の3人はそう答えると、それぞれが隠し持っていた武器を取り出した。

 

両手に裁ちばさみを持った涼子は続けて言った。

「ああ、こうなって、よかったな」

鉄製のスコップを構えた瑞穂は返す。

「そうですわね」

ノコギリの刃を指でしならせながら、瑠夏子は頷いた。

「うん、うん」

3人の女は笑みを浮かべていた。

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  15. わら人形
  16. 占い師
  17. 最後の一葉
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  19. キツネ様
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  23. 清々しい朝
  24. みんな平等に
  25. 平和的な解決
  26. 点線
  27. 霊能者の義務
  28. ハロウィンって何かしら?

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