意味怖

みんな平等に

投稿日:

「明らかに不当です。不平等ですよ。なぜ私じゃなく、あの人が?」

はぁー、

彼女の言い分も理解できた。

 

だが、しかし……。

私はすっかり冷めてしまったコーヒーを飲み干すと、天井を見上げ、問いに対する答えを探した。

 

***

 

わが社の採用面接に人工知能のシステムを取り入れたのは、今から4年前になる。

膨大な入社志望者の中から、会社にあった人材の合否を判定する。

かたよった主観を基に採点をおこなう人間の面接官よりも、よっぽどに優秀で平等な面接官だ。

実際、人工知能を取り入れて以来、

会社の業績はどんどん良くなっている。

しかし、

問題はあった。

 

世間からのバッシングである。

 

人工知能は『優秀で平等』とは言ったが、それは実際に会社の業績がよくなっているからそう思うだけで、あくまで感覚の話である。

高度に発達した人工知能が、一体何を考えて合否を出しているのかは、それはもはや人間には理解できないのだ。

人事部長の私にも、

「どうして、この学生が不採用で、あの学生が採用なのか?」

その理由は答えられなかった。

 

これは落とされた学生やその関係者の立場から見れば、

『不平等』だと感じることだろう。

 

「私は一流大学で成績は上位です。ボランティア活動だってしているし、面接の受け応えだって上手にできたと思います。それなのに、なぜ私が不採用で、ジャージ姿で面接を受けたあの子が採用なの……」

 

……本当に受験者が平等に扱われているのか?

 

会社側でこの問いに答える術は無かった。

「人工知能を面接に使うなッ!!」

世間からの感情的なバッシング。

人工知能を利用していた会社の多くは、人の手による面接制度を再開した。

 

それによりわが社の企業価値が上がるのか、下がるのか、

それは私にはわからない。

 

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