意味怖

付きまとわれてて

投稿日:2018-03-27 更新日:

22時頃だった。

玄関のチャイムが鳴った。

こんな時間に誰だろう?

いぶかしげに魚眼レンズを覗き込むと、友人の姿があった。

「こんな時間にゴメンね」

祥子とは学生時代からの付き合いだが、私の家に来るのは久しぶりだった。

最近婚約した彼と付き合い始めたのが半年くらい前だろうか、それから祥子はあまり昔の友達とつるまなくなった。

彼氏は名家の御曹司らしく、庶民の私たちと距離を置いたのだ。

少し寂しくも感じたが、まあ、仕方がないかとも思っていた。

「どうしたの?何かあった?」

祥子の服はひどく濡れていた。

その日は雨が降っていた。

夜中に傘も差さずに、理由なくフラッと立ち寄るとは考え難い。

部屋に招き入れ、黒い髪を拭くようにタオルを渡す。

コーヒーにミルクを入れて一口すすると、祥子はポツリポツリと話を始めた。

「最近ね。ちょっとタチ悪い男に付きまとわれてて…」

内容はテレビなどでよく聞く、ストーカー被害の話だった。

「頻繁に電話が掛ってきて。その日の私の服装だったり、行った場所についてボソボソと呟くの。いつも監視されてる。それから郵便受けやドアノブに、ヘドロで手形が付いてたこともあったわ」

鳥肌が立った。

「ヤバくない?誰かに相談したの?彼氏には?」

私の問いに、祥子は首を横に振った。

「やっと見つけた玉の輿なんだよ。無理だよ」

案の定そういうことか…

祥子は美人で愛想も良く、中学の頃から男に不自由したことが無い。

今の彼氏と付き合い始めたときにも、既に複数の男が居た。

おそらくストーカーは元カレの内の一人だ。

彼氏の父親は祥子との交際に反対していたと聞いているし、問題を露見させたくない気持ちはわかる。

「犯人に目星は付いてるの?」

「うん」

「知り合い?」

「うん。そうだね」

「前に付き合ってた人?」

「ううん。違うけど…」

友達と恋人の境界線に関して、旧友と議論する気はない。

「警察には?」

私の質問に祥子は無言で首を横に振った。

「そっか。まあ、事件にならなきゃ動いてくれないって言うもんね」

「うん。そうだね。警察は死体が出なきゃ動かないから」

「ちょっと。縁起でもないこと言わないでよ」

「ゴメン。心が弱ってるのかも」

「それで、今日も何かあったってこと?」

私は再び友人の来訪理由に関して質問した。

「それがね…」

そう切り出した彼女の話は、ちょっとしたホラー映画のようだった。

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