意味怖

僕は交通ルールにうるさい

投稿日:2018-01-21 更新日:

深夜0時過ぎ、

僕は傘を差して待っていた。

信号が青に変わるのを待っていた。

小雨が降り、

夜風が切るように冷たい。

 

車は通らない。

左右に首を振って向ける。

道路には車の影1つとしてなかった。

それでも僕は横断歩道を渡ろうとはしなかった。

 

僕は交通ルールにうるさい。

青になるまで待つ。

後悔しているからだ。

 

高校生の時、

僕は背後から車に跳ねられた。

自転車で駅に向かう途中だった。

別に信号無視をした訳ではなかったが、急いでいたし、注意力は散漫だったかもしれない。

 

ぽーんと宙に浮いた僕の身体は、歩道の脇に積まれていたゴミ袋の山に突っ込んだ。

運が良かった。

フレームの大きく曲がった自転車と比べて、色々なものを緩衝材にできた僕は制服のズボンに穴が開いたくらいで、たいした怪我をしなかった。

着地したのがゴミ山の上でなく、もし身体1つ分でも左右にズレていたらタダでは済まなかった。

 

僕をひいた車は止まりもせずに、逆にスピードを上げて立ち去ってしまった。

僕はただただ呆然とし、蛇行しながら遠ざかるテールランプをながめることしかできなかった。

あれは飲酒運転か無免だったんじゃないかと疑っている。

 

あの日のことを忘れない。

だから僕は交通ルールを守る。

あれ以来どんなに交通量の少ない場所でも赤信号は絶対に渡らないし、夜道では必ず自転車のライトを付ける。

歩きスマホもしない。

会社に入ってから免許も取ったが、飲酒運転なんてもってのほかだ。

許される訳がない。

 

気付くと、

信号は赤から青に変わっていた。

「さあ。帰ろう」

僕は独り言を呟くと、家路を急いだ。

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